ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説 オーストラリア・グループAustralia Group 化学・生物兵器の拡散防止について協議するための会合。議長国はオーストラリアで,日本,アメリカ,イギリス,フランス,ドイツなど 22ヵ国が参加。イラン・イラク戦争の際に,イラン領内での化学兵器使用が国連調査団によって確認されたことを受けて,化学兵器製造に使用される化学物質の輸出規制措置がとられたが,その実効性を高めるため 1985年6月,オーストラリアのイニシアティブによって第1回会合が開催された。それ以来,この会合は通称オーストラリア・グループと呼ばれ,各参加国が法的な輸出規制を行うべき化学物質 (原材料コア・リスト:CL品目) ,要注意化学物質として各国政府が国内業界に対し注意を喚起すべき化学物質 (ウォーニング・リスト:WL品目) を申合せている。これに基づき各国政府は,輸出許可の条件などを個別に決めている (日本はグループ中最もきびしい規制を実施) 。さらに 92年 12月のグループ会合では,特に第三世界での生物・化学兵器の装備強化傾向を抑止するため,新たに生物兵器関連病原菌などの輸出規制品目を指定するとともに,生物・化学兵器の輸出管理に関する共通ガイドラインに合意し,規制対象品目の輸出許可にあたって共通の条件を設定した。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by