日本大百科全書(ニッポニカ) 「オーラル・アプローチ」の意味・わかりやすい解説
オーラル・アプローチ
おーらるあぷろーち
oral approach
アメリカのミシガン大学英語研究所の初代所長であったフリーズCharles C. Fries(1887―1967)が提唱した外国語教授法の原理をいう。わが国には1956年(昭和31)導入された。「オーラル」は、学習者が口頭で発表できるようにという学習目標を、「アプローチ」は、目標を達成するために必要なあらゆるものを含む道筋を、それぞれさしている。
アメリカ構造言語学を基礎に置き、言語は音声であって書かれたものではないとの観点から、ごく限られた範囲の語彙(ごい)のなかで音体系、文法構造を習得し、それが自動的習慣となることを目ざす。学習者の母国語と学習する言語との科学的比較研究による成果を反映させた教材を使用するところに特色がある。
また、この原理を具体化するための技術として、模倣記憶練習、文型練習(パターン・プラクティスpattern practice)などを用いる。
[垣田直巳]