カダリー(読み)かだりー(その他表記)Clements Kadalie

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カダリー」の意味・わかりやすい解説

カダリー
かだりー
Clements Kadalie
(1896―1951)

南アフリカ最初の黒人労働組合指導者。ニアサランド(現マラウイ)で生まれ、出稼ぎ労働者としてケープタウンにいた1919年、同市の港湾労働者を組織して商工組合ICU)を結成した。第一次世界大戦後の不況によって労働運動は急激に拡大し、ダーバンヨハネスバーグブルームフォンテーンにICU支部ができ、組合員は最盛時10万人を超えた。しかし26年、本部をヨハネスバーグに移したためカラード混血)の協力を失ったこと、機関紙発行による大幅赤字、組織内の共産党員との対立、また初期の労働組合から26年以降政府の人種差別主義に対する反政治闘争的性格を強めたことなどにより、29年ICUは解体した。

[林 晃史]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のカダリーの言及

【バナナ】より

…生食以外にバナナチップス,乾果,乾燥粉末,酒類の生産に用いる。【岸本 修】
[インド]
 サンスクリットでバナナをさす〈カダリーkadalī〉の語は前3~前2世紀ごろの文献から現れる。しかし,この語自身がインド先住民の言語からの借用語であるとされるから,先史時代のインドではすでにバナナは食用に供されていたと思われる。…

※「カダリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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