ICU(読み)あいしーゆー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ICU」の意味・わかりやすい解説

ICU(Intensive Care Unit)
あいしーゆー

通常の医療設備では十分管理できない重症疾患や大手術後の患者を対象として、24時間連続監視のもとに、必要に応じて迅速な救急処置を講じうるように、病院内の一区域に設定された特殊治療施設。intensive care unitの略。集中治療室、集中監視施設などとよばれることもある。血圧脈拍心電図呼吸数、尿量などを指標として患者の全身状態を昼夜を問わず把握する一方、これらの情報に基づく呼吸・循環管理、栄養・体液バランス維持などの対策を集中的に施すことを目的とする。このため、施設内では生体連続監視装置、血液ガス・血清電解質分析装置などが機能的に配置され、これらの機器を十分駆使しうる専門医と熟練看護師がそれぞれ交代で治療、看護に従事する。最近では、疾病対象ごとに施設が細分化される傾向にあり、重篤な心疾患を対象としたCCUcoronary care unit)、呼吸器疾患を対象としたRCUrespiratory care unit)、新生児の重症疾患を専門に扱うNICU(neonatal intensive care unit)などが各病院に設置されつつある。

[井上通敏]


ICU(国際基督教大学)
あいしーゆー

国際基督教大学

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ICU」の意味・わかりやすい解説

ICU
アイシーユー
intensive care unit

病院内にある集中治療室あるいは集中監視(看護) 施設。内科外科といった分類にとらわれず,重症患者を収容し,そこに高度の診療機器,熟練看護師,専門医などを配置し,患者の状態を連続して監視して,症状の変化に即応した治療をいつでも施行できる態勢にある。手術後の患者を対象とした回復室 recovery room,主として心筋梗塞患者を対象にした CCU(coronary care unit),重症の呼吸器疾患を対象とした RCU(respiratory care unit),低出生体重児や重症の新生児を対象にした NICU(neonatal intensive care unit)などの種類がある。効率がよく手厚い治療ができて,重症患者の救命に役立っている。

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