カッシート人(読み)カッシートじん(英語表記)Kassites

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カッシート人」の意味・わかりやすい解説

カッシート人
カッシートじん
Kassites

前 16世紀後半バビロン第2王朝 (カッシート朝) を築いたとされる東方のザグロス山岳地帯出身の民族。前2千年紀以降メソポタミアに侵入,ハンムラビ王の息子に撃退されたが,バビロニア北方のチグリス,ユーフラテス両川流域に定着,のちバビロン第2王朝を創始。その後首都をドゥル=クリガルズに置きバビロニアを約 570年間支配したとされるが,おそらくバビロン第1王朝と重複していたと考えられる。前 12世紀エラム人に追われ,前 1000年以降ザグロス山岳地帯に退き,アッシリアの東征に抗し,アケメネス朝ペルシアに朝貢した。前4世紀アレクサンドロス3世 (大王) に征服されたが,のち再び独立した。バグダード郊外のアカルクフには彼らの残したジッグラト,エンリル神殿,クリガルズ王宮廃墟がある。

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