カマユラ(その他表記)Kamayura

改訂新版 世界大百科事典 「カマユラ」の意味・わかりやすい解説

カマユラ
Kamayura

南アメリカ,ブラジルのマト・グロッソ州北部,シングー川上流域に住む約300人の先住民部族。ビラズ・ボアズ兄弟の献身によって設けられた先住民保護区であるシングー国立公園(1961年に指定)内に住む。言語はトゥピ語族に属する。有毒マニオクを中心とする焼畑耕作,狩猟漁労採集を行う。村は一つだけで,大きな広場を数軒の大きな家が取り巻いている。シングー川上流域には,トゥピ語のほかに,アラワク語,カリブ語などを話す部族が混在しているが,みな一つの文化圏に属している。似通った起源神話を持ち,また互いに通婚しているために,いくつもの言葉を自由に話せる者も多い。この地域では,各部族がそれぞれ異なった物を生産することによって分業が成立し,各部族間の交換システムがつくりあげられている。互いに他の部族の儀礼に参加し,村対抗のレスリング試合なども催される。1970年代にこの地域にも道路が通じ,文明化の波が押し寄せている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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