精選版 日本国語大辞典 「分業」の意味・読み・例文・類語
ぶん‐ぎょう ‥ゲフ【分業】
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生産過程をいくつかの部門・工程に分け、異なった人々がこの分割された特殊的部分に専門的に従事することをいう。分業には、社会的総労働が社会のさまざまな産業部門やさらにそれらの産業部門において種々の職業に区分され、個々人がこうして細分化された職業に専門的に従事する社会的分業と、マニュファクチュアに典型的にみられるように、多数の労働者が資本家の所有する作業場に寄せ集められ、個々の労働者が分割された種々の生産工程を専門的に担う作業場内分業とが存在する。いずれの分業にあっても、個々の生産者は特定の作業に専門的に従事することによって、労働の熟練が高まり、異なった作業間の移動に伴う労働時間のむだが縮小し、労働用具が特殊化された作業に適合的に改良かつ多様化されることによって労働の生産力が上昇する。
社会的分業は、原始共同体内における性および年齢の差という生理学的な基礎のうえに自然発生的に発展するが、共同体内部で生産手段の共有のもとで社会的分業が行われている限り、それは商品生産とは結び付いていない。異なった諸共同体の間で物々交換が始まり、それがやがて商品交換へと発展していくが、それによって各共同体は商品交換を媒介として連関させられ、社会的な全生産の相互に依存しあう生産部門に転化させられる。商品交換が共同体の内部に浸透し、生産手段の私的所有を生み出してゆくにつれて、社会的分業が発展すると同時に商品交換も発展していく。このような商品交換の一定程度の発展を歴史的前提として資本主義が発生する。
資本制的生産は、同一作業場内に集められた多数の労働者が資本家の指揮のもとに同一商品の生産に従事する単純協業という形で出発するが、それは、生産工程が分割されて各労働者が特定の工程のみを専門的に担当する分業に基づく協業(マニュファクチュア)に早急に移行する。ここで作業場内分業が本格的に登場する。マニュファクチュアは、道具の機械への転化に伴って機械制大工業へ移行するが、これによって作業場内分業がいっそう発展する。ここでは機械が生産の主体であり、特殊化された諸機械の間に配分される労働者は、特定の機械を専門的に操作する機械の付属物に転化し、労働者の資本のもとへの実質的包摂が完成する。マニュファクチュアに典型的にみられる作業場内分業は、社会的分業の特定の発展を前提として発生するが、逆に社会的分業に反作用してそれを発展させる。機械制大工業に移行すると社会的分業はいっそう発展する。それによって供給される原料や半製品や労働用具等の分量が増加するに伴って、原料や半製品の加工が分化していき社会的生産部門が多様化するからである。作業場内分業は資本家の専制的支配のもとに計画的に編成されているのに対して、生産手段の私的分散的所有に基づく社会的分業においては無政府性が支配している。
[二瓶 敏]
『K・マルクス著『資本論』第1巻第4篇(向坂逸郎訳・岩波文庫/岡崎次郎訳・大月書店・国民文庫)』▽『A・スミス著『国富論(諸国民の富)』第1篇(大河内一男監訳・中公文庫/大内兵衛・松川七郎訳・岩波文庫)』
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…したがって,規模の経済が存在すれば,大量生産によって利益が生ずる。規模の経済が発生する最も重要な理由は,不可分性と分業の利益である。たとえば鉄鋼業における高炉のように,ある種の生産要素は最も効率的な生産規模が技術的に決まっており,その半分の生産規模をもつ高炉では,効率的な生産が行えず費用が高くなる。…
…この有名な言葉で始まる《国富論》は5編に分けられる。 第1編は,労働の社会的分業を通じて,生産力の改善が最大なものとなり,労働の熟練,技巧,判断が大きく高められるという点に議論の焦点が置かれる。そしてこのような社会的な利益を生み出す分業をひきおこすものは,人々がみずからの利益を求めて交易,交換という経済的な取引を行おうとする人間の本性のなかにある一定の性向にあると主張する。…
…香川県中央部,綾歌郡の町。人口2万1520(1995)。北部と南部は丘陵で囲まれ,中央部を本津川が北東流し,沖積低地を形成する。予讃線,国道11号線が中央部を横断する。溜池灌漑による農業中心の町であったが,高松市と坂出市の間に位置するため住宅地化が著しい。農業は米,麦中心から,盆栽,施設園芸,果樹,蔬菜,花卉などの都市近郊農業に移行している。四国八十八ヵ所第80番札所白牛山国分寺は本堂,千手観音立像,銅鐘が重要文化財に指定されており,境内には讃岐国分寺跡(特史)の33個の巨大な礎石が残る。…
…社会的な分業として行われる財貨およびサービスの生産または提供に係わるすべての経済活動を産業という。
【歴史】
産業をこのようにとらえるならば,その歴史は原始時代にまでさかのぼることができる。…
…一般に迂回路が長ければ長いほど生産能力も高まる。迂回生産は技術過程の分化を意味しており,この点で次に述べる分業とはいちおう区別される。
[生産の組織]
生産は物質を道具や機械を用いて変形する技術過程であるとともに,それはまた人間どうしの一定の関係の中で営まれる社会過程でもある。…
※「分業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
少子化とは、出生率の低下に伴って、将来の人口が長期的に減少する現象をさす。日本の出生率は、第二次世界大戦後、継続的に低下し、すでに先進国のうちでも低い水準となっている。出生率の低下は、直接には人々の意...
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