化学辞典 第2版 「カマリング-オンネス」の解説
カマリング-オンネス
カマリングオンネス
Kameringh-Onnes, Heike
オランダの物理学者.フローニンゲン大学で数学と物理学を学び,1871年ハイデルベルク大学のR.W.E. Bunsen(ブンゼン)とG.R. Kirchhoffのもとで学ぶ.1873年フローニンゲン大学に戻り,1879年学位を取得.1882年ライデン大学の実験物理学教授となり,同大学の教授であったJ.D. van der Waals(ファンデルワールス)の気体理論,とくに対応状態の法則を実験的に明らかにすることを目標に研究をはじめる.単純な分子の凝縮に必要な低温を得るため,1892年カスケード法による酸素と空気の液化,そして1906年水素の液化を実現し,さらに1908年世界ではじめてヘリウムの液化に成功し,得られた極低温での物理現象を研究する低温物理学の扉をひらいた.とくに金属の電気伝導に関心をもち,ある温度以下で電気抵抗が0になる超伝導の現象を1911年に発見した.以上の業績で,1913年ノーベル物理学賞を受賞した.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報