かゆみと痒(読み)かゆみとそうよう

家庭医学館 「かゆみと痒」の解説

かゆみとそうよう【かゆみと痒】

 かゆみを表わす医学用語は瘙痒です。ところが、ワープロなどでは「やまいだれ」の瘙がなく、たいてい掻と変換されます。瘙痒とは、かきたくなる行動をおこさせる特殊な感覚です。とくに皮膚病では多くの例にみられるため、医師は患者さんに「かゆいの? かゆくないの?」と聞くのです。かゆみのあるなしで大きく皮膚病気を鑑別できるからです。
 一方、瘙痒は疼痛(とうつう)の弱いものだという古くからの説もあります。本当にそうかどうかは今でも生理学者の間で議論されています。
 また、かゆみはきわめて主観的なもので、本人しかわからないという面もあります。そこで参考として、かゆみの程度を表現した表「かゆみの程度と表現法」をあげておきます。皮膚病にかかったとき、患者さんが「夜も眠れぬほどかゆい」とか「1日中続く」と表現してくれれば、ずいぶん医師の診断の役に立つことでしょう。

出典 小学館家庭医学館について 情報