から萩(読み)からはぎ

精選版 日本国語大辞典 「から萩」の意味・読み・例文・類語

から‐はぎ【から萩】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 植物「はぎ(萩)」の異名か。
    1. [初出の実例]「からはぎ 空蝉のからは木毎に留むれど魂のゆくへを見ぬぞ悲しき〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)物名・四四八)
  3. 萩の一種「きはぎ(木萩)」の異名か。または、萩の中でも特に幹の大きな品種をいうか。木だちの萩で、幹が大きく、冬も枝が枯れないもの。弓を作るのに用いるという。
    1. [初出の実例]「此萩草花にあらず木なり。一名をから萩(ハギ)といふ。よって弓などに是を作る」(出典浄瑠璃伽羅先代萩(1785)八)

から萩の補助注記

の「古今集」例中の「からはぎ」は、普通にいう萩の異名なのか、萩の一種なのかは未詳語源も明らかでなく、「唐萩」の字をあてることの当否もわからない。弓や柱を作るほどに幹の大きくなる萩の記事は諸書に見えるが、これを「からはぎ」というのは「幹萩(からはぎ)」の意か。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android