カリステネス(その他表記)Kallisthenēs

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カリステネス」の意味・わかりやすい解説

カリステネス
Kallisthenēs

[生]?
[没]前327
ギリシアの歴史家。オリントスの出身。アリストテレスの甥で弟子。アレクサンドロス大王の東方遠征に従軍歴史家として参加,著書のなかで大王を汎ギリシア主義の擁護者としてたたえ,ときにはゼウスの子とさえ呼んだが,反逆陰謀に加担したという口実のもとに処刑された。著書『ギリシア史』 Hellēnika,『アレクサンドロスの事績』 Praxeis Alexandrouはいずれも現存せず,後世の『アレクサンドロス物語』 Ta peri Alexandrouの著者に擬せられている。また,デルフォイの祭典競技の記録を整理して年代表を作成した彼の功績をたたえる碑文が現存している。

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世界大百科事典(旧版)内のカリステネスの言及

【アレクサンドロス[大王]】より

…アレクサンドロスは大筋を旧制度の踏襲にもとめ,ペルシア貴族を行政面で積極的に登用するとともに,王朝風の宮廷儀礼(たとえば謁見のさいの跪拝)や制度慣行をとり入れて,征服と協調の同時推進の方針を明らかにする。しかし軍の内部にはマケドニア人・ギリシア人の征服者としての優越維持,東方人の被征服者としての隷属化に固執して,彼の政策姿勢を東方かぶれ,東方的専制王への変身と批判する向きも強く,両派の確執はやがて副将パルメニオン,フィロタスPhilōtas父子や親友のクレイトスKleitos,哲学者・史家のカリステネスKallisthenēsなど,王批判派の相次ぐ粛清となって表面化した。2度にわたる王暗殺の陰謀も同じ状況の産物だった。…

※「カリステネス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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