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監査役 かんさやく

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ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

監査役

取締役の職務の執行を監査する役割を持つ、株式会社の常設機関。監査役は株主総会で選任され、取締役の「業務監査」と「会計監査」を行なう。業務監査では、取締役の職務執行に違法性がないかをチェックする。一方、会計監査では株主総会に提出される会社の計算書類が正しいかチェックする。業務監査と会計監査の結果は、監査役の監査報告書にまとめ、株主総会のときに提出する義務がある。監査役には、取締役を牽制するために様々な権限が与えられ、自分から取締役に業務の報告請求や、調査権を行使することさえ認められている。しかし現状は、監査役制度は形骸化していると言われている。理由として、代表取締役に対して発言力が弱い、取締役会の監査役の選任がそのまま適用され、結果、馴れ合いが発生する、などがあるとされる。

出典|ASCII.jpデジタル用語辞典
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知恵蔵の解説

監査役

株式会社における監査役は、取締役の職務の執行を監督し調査する商法上の必要常設機関。日常の経理記録業務や決算処理業務などの会計処理業務とそのまとめである財務諸表の両方を調べ、適切かどうかを判断する会計監査と、財務、販売、購買、労務、生産などの業務が適切に行われているか判断し、場合によっては改善を勧告する業務監査の2つからなる。ただし商法特例法(現在は新会社法へ吸収)により、大会社(資本金5億円以上または負債200億円以上の株式会社)では公認会計士または監査法人による会計監査人監査が要求されており、実際はその結果を監査役が追認する形をとる。したがって監査役による監査は業務監査が中心。監査役は株主総会で4年任期で選任され、大企業では3人以上、そのうち1人以上は、その就任の前5年間会社またはその子会社の取締役または支配人その他の使用人となった者であってはならない。また監査役は、取締役会に出席しなければならない。ただし2003年4月から施行された改正商法で、大企業は委員会設置会社形態を選択でき、その場合は監査役をおかず取締役会の内部組織としての監査委員会が機能することになる。これは米国型企業統治モデルと呼ばれ、コーポレート・ガバナンスとの関連で話題になっているが、同形態に移行した企業は06年度時点でもまだ100社超程度にとどまっている。

(小山明宏 学習院大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

監査役

取締役の職務執行を監査することが仕事で、取締役会にも出席する。専門家の視点で帳簿類を精査する会計監査人(公認会計士や監査法人)の監査を点検し、結果を株主総会に報告する。取締役が法令や定款に違反する行為をしたり、する恐れがあったりする場合には、やめるように請求することもできる。

(2009-04-20 朝日新聞 朝刊 1経済)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

かんさ‐やく【監査役】

取締役および会計参与の職務の執行を監査する株式会社の機関。会計監査業務監査を任務とする。従来、すべての株式会社に監査役の設置が義務づけられていたが、現行の会社法では、非公開会社の監査役の設置は任意となっている。

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百科事典マイペディアの解説

監査役【かんさやく】

会社の業務・会計監査を職務とする常置機関(会社法381条以下)。商法ではすべての株式会社で必要とされたが,2005年の会社法では委員会設置会社以外の公開会社または会計監査人設置会社を除き,任意の機関とされる。
→関連項目監査基準コンプライアンス差止請求権重役商法特例法

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株式公開用語辞典の解説

監査役

監査役[かんさやく]は、取締役の職務執行を監査(監督、検査)する役割を指す。主に業務監査と会計監査の二つの業務を行う。大会社(=資本の額が5億円以上か、負債の合計金額が200億円以上の会社)には、会計監査人として監査法人などが属しているので、業務監査の比率が高くなるケースが多い。必要な監査役の人数としては、株式会社の規模により、必要な監査役の人数がちがう。例えば、大会社は3人以上の監査役を置かねばならない。うち半数以上は社外監査役でなくてはならない、中会社の場合1人以上の監査役を置かねばならなく、小会社で1人以上の監査役を置かねばならない等の法的な取り決めがある。尚、株式公開を目指すベンチャー企業の場合、その株式公開をする年の前年には監査役を配置しておかなくてはなりません。

出典|株式公開支援専門会社(株)イーコンサルタント
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世界大百科事典 第2版の解説

かんさやく【監査役】

株式会社および有限会社において,会社の経営が適法に行われているかどうかを監視するために置かれる機関。ただし,有限会社ではこれを設けることは強制されない(有限会社法33条1項)。会社の各機関を国のそれに対応させ三権分立になぞらえると,監査役はさしずめ司法機関ということになる。株主みずから取締役の職務執行を常時監視することが不可能なため,株主に代わってそれを行う機関としてこの制度は出発した。しかし,監査役の要否を含め制度の内容は,国により時代により著しく異なる。

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大辞林 第三版の解説

かんさやく【監査役】

会社の会計監査ならびに業務監査を任務とする機関。また、その人。株主総会で選任され、大会社では監査役会が組織される。

出典|三省堂
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

監査役
かんさやく
auditor

取締役の職務の執行を監査する機関(会社法381条1項)。取締役などに対して事業の報告を求め,会社の業務や財産の状況について調査する。公開会社ではない株式会社監査役会設置会社会計監査人設置会社〈→会計監査人〉を除く)においては,監査の範囲を会計監査に限定することができる。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

監査役
かんさやく

取締役(および会計参与)の職務執行を監査する常置の機関(会社法381条)。株式会社はその旨の定款の定めを置けば監査役または監査役会を設置することができる(同法326条2項)。しかし、以下のような制限がある。
(1)取締役会設置会社(委員会設置会社を除く)では監査役を置かなければならない(同法327条2項本文)。ただし、公開会社ではない会計参与設置会社では監査役を置かなくてよい(同法327条2項但書)。
(2)会計監査人設置会社(委員会設置会社を除く)では監査役を置かなければならない(同法327条3項)。
(3)委員会設置会社では監査役を置いてはならない(同法327条4項)。
 取締役の会社経営を監視・監督するのは、本来は、資本の出資者である株主と、(取締役会設置会社の場合には)取締役会である。しかし、株主がつねに経営を監視することは現実的ではなく、また、取締役会による取締役の監督は自己監督となり、実効的な監視・監督はかならずしも期待できない。そこで、常置の監視機関としての監査役制度が必要なのである。
〔1〕選任・解任 (1)選任 原則として株主総会の普通決議によって選任される(同法329条1項)。普通決議を行う際には定足数を定款で排除できるのが原則であるが、役員(取締役・会計参与・監査役)の選任決議の定足数は議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上必要である(同法341条)。監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには監査役(複数いる場合には過半数)の同意が必要である(同法343条1項・3項)。
(2)解任 原則として株主総会の特別決議でいつでも解任できる(同法339条、309条2項7号)。なお監査役は、選任・解任・辞任について、株主総会で意見を述べることができる(同法345条4項)。
〔2〕任期 原則として4年(非公開会社では定款により10年まで伸張可能)とされ、取締役と異なり短縮はできない(同法336条)。
〔3〕権限 (1)総説 監査役の権限は取締役・会計参与の職務執行を監査し、監査報告を作成することにある(同法381条1項)。監査の範囲は原則として、会計監査・業務監査全般に及ぶ。なお、業務監査権限は、業務執行の違法性監査に限定され、取締役の経営判断の妥当性の監査権限まではないと解されている。監査役会設置会社および会計監査人設置会社を除き、公開会社ではない株式会社では、監査役の権限を、会計監査に限定する旨を定款で定めることができる(同法389条)。このような定めを置いた会社は、会社法では「監査役設置会社」に該当しない(同法2条9号)ので、注意を要する。業務監査権限を有する監査役を置いていない会社では、資本の出資者である株主の監督権限が強化されている(同法367条、371条2項等)。
(2)具体的権限 監査役はその職務を執行するために、種々の権限を有する。取締役・会計参与・使用人に対する調査権(同法381条2項)、子会社調査権(同法381条3項)、違法行為差止請求権(同法385条)、会社・取締役間の訴訟における会社代表権(同法386条)、訴訟提起権(同法828条、831条)などである。
〔4〕義務 (1)総説 会社と監査役との関係は委任に関する規定に従う(同法330条)ので、その職務を行うにあたって会社に対して善管注意義務を負う(民法644条)。取締役とは異なり、会社の業務執行にあたらないので、忠実義務を負わない。
(2)個別的義務 取締役に違法行為がある場合の取締役(取締役会)への報告義務(会社法382条)、取締役会への出席・意見陳述義務(同法383条。必要があるときには取締役会の招集権もある。同法383条2項・3項)、株主総会提出書類の調査・意見報告義務(同法384条)。
〔5〕報酬 定款または株主総会決議で、取締役の報酬とは別に定められる(同法387条)。監査役が2人以上いる場合には、定款または株主総会において報酬総額だけ決めておき、割当額は監査役の協議で決めることもできる(同法387条2項)。
〔6〕責任 任務懈怠(けたい)により会社に対して責任を負い(同法423条1項)、職務の執行につき悪意または重過失があれば、第三者に対しても責任を負う(同法429条)株主総会決議または定款規定による取締役の過半数の同意(取締役会の決議)により、会社に対する責任の一部免除が認められ(同法425条、426条)、社外監査役については責任限定契約も認められる(同法427条)。株主代表訴訟の対象にもなる(同法847条)。[戸田修三・福原紀彦]
『森井英雄著『新 監査役の法律と実務』(2007・税務経理協会) ▽間藤大和・平野俊明・中村直人著『監査役ハンドブック』(2007・商事法務) ▽鈴木進一著『監査役の役割と監査行動』(2007・商事法務)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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世界大百科事典内の監査役の言及

【会計監査】より

… 会計監査は独立かつ公正な立場でなされなければならないから,会計記録に関与していない第三者によって行われなければならない。この第三者には企業内における第三者と企業外における第三者とがあり,前者には企業の内部監査課や監査役などがあり,後者には公認会計士と監査法人(5名以上の公認会計士によって共同で設立された法人。会計監査人は公認会計士・監査法人のいずれかでなければならない)がある。…

【会社】より

…50年の改正は,それまでドイツ法的な制度であった日本の株式会社制度を,占領軍司令部の要求もあって,アメリカ法的な制度に改め,企業資本の調達を機動的にするために授権資本制度および無額面株式制度をとり入れ,また,経営の技術革新に対応して所有と経営の分離を徹底化(株主総会の権限を限定)するとともに,それに伴う取締役会制度の導入および取締役の責任の強化を図ったものである。なお,その際,取締役の業務執行をコントロールする機関としてのヨーロッパ的な監査役制度は廃止され,以後監査役は単なる会計監査機関となった。取締役の業務執行についてのコントロールは,合議体の取締役会が業務執行を決定する過程で自律的に行うべきものとされたのである(自己監査制度)。…

【株式会社】より

…すなわち,48年に株金分割払込制度を廃止したのに続いて,50年にはアメリカの制度を広範にとり入れた大改正が行われた。それは,(1)授権資本制度等を採用することにより資金調達の便宜を図る,(2)株主総会の権限を縮小すると同時に取締役会制度・監査役制度を改正して会社運営機構を合理化する,(3)少数株主権の強化,取締役の責任の厳格化等により株主の地位の強化を図る,ことを主眼点とするものであった。その後の株式会社法の改正としては,62年の計算(企業会計)を中心とする商法改正,資本自由化を前にした66年の株式の譲渡制限・譲渡方法等に関する改正,粉飾決算にからむ大型倒産を機に監査役の地位強化と会計監査人制度の導入を柱とした74年改正等が行われたが,74年改正の直後から,会社法の全面的見直しおよび改正の作業が始まり,81年に改正が実現した。…

【取締役】より

…株式会社および有限会社の業務執行(代表)機関の構成員。取締役と監査役を合わせて会社の役員と呼ぶことがあり(証券取引法5条1項など),俗にいう重役もこの両者をさすことが多い。株主や社員は数が多く,頻繁に会合することはできないうえ,経営の専門的知識も十分でないから,取締役に会社の経営をゆだねることが必要になる。…

※「監査役」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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