カリスマ的支配(読み)カリスマてきしはい(その他表記)charismatische Herrschaft

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カリスマ的支配」の意味・わかりやすい解説

カリスマ的支配
カリスマてきしはい
charismatische Herrschaft

カリスマ原意は神の恩寵もしくは神からのたまものを意味するが,M.ウェーバーによれば,日常的なものをこえた非凡な資質に対する畏敬の念に基礎をおく支配関係をいう。ウェーバーはこれを合法的支配および伝統的支配と並ぶ主要な支配類型とした。この支配形態は非日常性を特質とするがゆえに,既成秩序を打破しようとする革命的状況に適合するが,それが永続化するに伴い,他の支配類型に近接していく傾向がある。これを「カリスマの日常化」という。

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世界大百科事典(旧版)内のカリスマ的支配の言及

【カリスマ】より

…それに対して,カリスマという用語を宗教に限定せずより広い意味で使用し,支配の正当性の一類型を説明する分析概念として理論化したのはM.ウェーバーである。ウェーバーは合法的支配,伝統的支配に対比される第三の支配の型としてカリスマ的支配という概念を提起した。合理的・法制的な根拠や慣行的・伝統的な権威などに依拠しないカリスマ的支配の存立の基礎は,指導者が提供する呪術的能力・啓示・戦闘的英雄性・強靱な精神力・弁舌力などの証(あかし)と,それに対する被支配者の側の自由な承認・情緒的帰依である。…

※「カリスマ的支配」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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