化学辞典 第2版 「カルシウム化合物」の解説
カルシウム化合物
カルシウムカゴウブツ
calcium compound
安定な化合物中では,カルシウムは酸化数2の陽イオンとして存在する.塩型の化合物は酸化物や炭酸塩に酸を作用させて得られる.一般に,無色のイオン結晶で結晶水をもち,水に易溶であるが,硫酸塩は難溶,フッ化物,リン酸塩,炭酸塩,ケイ酸塩,多くの有機酸塩は不溶.シュウ酸塩はストロンチウム,バリウム化合物より難溶であるが,硫酸塩,クロム酸塩の溶解度はかなり大きい(Sr2+,Ba2+ との区別).アルコール,カルボン酸,アミノ酸,エステル,EDTA,クラウンエーテル,クリプタンドなどと錯化合物をつくる.橙赤色の炎色反応を示す.石灰石CaCO3,生石灰CaO,消石灰Ca(OH)2は工業に,セッコウCaSO4・2H2Oは建築材料に,リン酸カルシウムは肥料に,水素化カルシウムは有機合成に重要なものである.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報