錯化合物(読み)さくかごうぶつ

百科事典マイペディアの解説

錯化合物【さくかごうぶつ】

一つの原子またはイオン(金属または金属類似元素であることが多い)を中心原子として,そのまわりの空間に立体的に配位子が配位した一つの原子集団を錯体と呼び,その錯体を含む化合物をすべて錯化合物という。錯体が分子(たとえば[Cu(NH2CH2COO)2])である場合のほか,イオンあるいは基(たとえば[Co(NH363(+/),[Fe(CN)64(-/))であれば錯イオンあるいは錯基と呼び,さらにその塩(たとえば[Co(NH36]Cl3,K4[Fe(CN)6])を錯塩という。一般に錯化合物という場合は,以上のほか下図のような単なる配位化合物をも含めていう。(図)
→関連項目キレート化合物再結晶錯イオン錯塩

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

大辞林 第三版の解説

さくかごうぶつ【錯化合物】

錯体を含む化合物。配位化合物。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内の錯化合物の言及

【錯体】より

…錯イオンは陽イオンまたは陰イオンの形で存在する錯体で,対イオンと結合して錯塩,錯酸,錯塩基をつくる。これらと錯分子とをひとまとめにしたものが狭義の錯化合物で,配位化合物ともいう。ふつうの錯体(ウェルナー錯体という)においては配位原子は孤立電子対で中心原子に配位結合で結合している。…

【配位説】より

…分子などが配位圏内では金属原子に対して同格に結びつくという意味でcoordinateという言葉が使われ,日本では配位と訳されるようになった。この配位説によって説明できる化合物のことを錯化合物あるいは配位化合物と呼ぶ。ウェルナーは金属イオンの酸化状態を示すふつうの原子価(主原子価)が飽和されているのに,なおH2O,NH3などの余分の分子などが中心イオンに結合できるのは,一定の方向性をもつ側原子価なるものがあるからだと考えたが,その本質については当時の結合論ではなお説明がつかなかった。…

※「錯化合物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

夏至

二十四節気の一つであるが,二至 (夏至,冬至) ,二分 (春分,秋分) の四季の中央におかれた中気。夏至は太陰太陽暦の5月中 (5月の後半) のことで,太陽の黄経が 90°に達した日 (太陽暦の6月 ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android