改訂新版 世界大百科事典 「カレドマルベール」の意味・わかりやすい解説 カレ・ド・マルベールRaymond Carré de Malberg生没年:1861-1935 フランスの公法学者。カン,ナンシー,ついで長くストラスブール大学教授。主著《一般国家学綱要》(第1巻1920,第2巻22)のほか,フランスの実定法構造が立法権の優位によって支配されていることを徹底的かつ執拗に系統的に分析した《一般意思の表明としての法律》(1931)がとくに重要である。彼の見解はフランスにおける代表的な法実証主義としてあげられるが,その実証主義は,国家法の所与の現実を,さまざまの理想や哲学の擬制をはぎとって直視するところに特色があった。第三共和政の実定法構造に対する彼の批判と改革論は,現行第五共和政憲法に少なくない影響を及ぼしている。執筆者:樋口 陽一 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by