日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンザス大学」の意味・わかりやすい解説
カンザス大学
かんざすだいがく
University of Kansas
アメリカ合衆国カンザス州ローレンス市にある州立総合大学。1866年、カンザス州議会の認可を受けて、ローレンス市民の手によって設立された。元州知事チャールズ・ロビンソンCharles Robinson夫妻から寄付されたマウント・オーリアッドMount Oreadとよばれる緑豊かな丘にキャンパスが開かれた。同市は人口約8万人の小都市ながら、歴史と文化を重んじる気風があり、文教都市として発展している。
2007年現在、学生数3万0644名、専任教員数2201名。14学部、170以上の専攻分野から構成され、とりわけ、建築、工学、薬学、教育学、看護学、ジャーナリズムの分野で定評がある。雑誌『USニューズ・アンド・ワールドリポートU.S. News and World Report』によれば、カンザス大学の40以上の教育プログラムが全米のランキングに登場し、そのうち24のプログラムが公立大学トップ25に入っている。アメリカ大学協会Association of American Universities(略称AAU。とりわけ優れた研究・教育機構を有すると目された北米を代表する諸大学によって構成される)の加盟校62校の一つとなっている。
マウント・オーリアッドに広がるローレンスのメイン・キャンパスは1000エーカーの面積を誇り、全米でもっとも美しいキャンパスの一つに数えられる。キャンパス内は主要な研究施設だけでも80を超え、図書館、美術館、とくに自然史博物館は、全米屈指のものとして評価が高い。また、コンピュータ設備が充実していることでも知られる。
スポーツも盛んで、バスケットボールの考案者ジェームズ・ネイスミスJames Naismith(1861―1939)が初代監督を務めた歴史をもち、男子バスケットボールの名門でもある。大学のマスコットはジェイホークJayhawkとよばれる鳥。
[杉谷祐美子]