マスコット(読み)ますこっと(英語表記)mascot 英語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マスコット」の意味・わかりやすい解説

マスコット
ますこっと
mascot 英語
mascotte フランス語

フランス、プロバンス地方の魔女マスコmascoに由来する語で、幸運や福をもたらすと考えられる人や物、福の神ほか縁起のよいものをいう。フランスの作曲家オードランのオペレッタ『La Mascotte』(1880)により一般化した。西洋ではウサギの足の剥製(はくせい)を縁起のよいものとして珍重するが、船乗りの間では海での事故を防ぐものとして錨(いかり)や人間の頭部の骸骨(がいこつ)を腕や胸に彫る風習があり、アメリカ大陸のカウボーイは馬の蹄鉄(ていてつ)を災難よけにしている。日本でもっとも多く用いられるのは神社・仏閣の守り札(護符)で、交通事故から身を守るために自動車に取り付けたり、生まれ年にちなんだ守り本尊を身につけるなどマスコットにされるものは数限りない。変わったものでは、博徒が江戸時代の侠客(きょうかく)清水次郎長や盗賊鼠小僧次郎吉(ねずみこぞうじろきち)などの墓石破片を持つと運がつくという。また、マスコット人形など企業が商品化するなどの例もある。

[佐藤農人]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マスコット」の意味・わかりやすい解説

マスコット
mascot

縁起のよい愛玩物のこと。護符として,身につけていると災厄から免れ,幸運をもたらすという。今日でもマスコット人形が自動車に飾られる場合には安全運転への願いがこめられており,四つ葉クローバー押し葉は幸運をもたらすものとされている。ともに護符としての痕跡を残しているといえる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android