日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
カンスク・アチンスク炭田
かんすくあちんすくたんでん
Канско‐Ачинский Угольный Бассейн/Kansko-Achinskiy Ugol'nïy Basseyn
ロシア連邦中部のクラスノヤルスク地方、エニセイ川の流域にある褐炭炭田。面積約9万平方キロメートル。地質構造は、シベリア卓状地に近接しているため、非常に緩い緩傾斜構造となっている。夾炭(きょうたん)層は中生代ジュラ紀の陸成相で、平均厚さ45~55メートルに達する炭層が数多くあり、いずれも地表下浅い部分に賦存しているため露天掘りが可能である。炭質的には一般に高灰分ではあるが、硫黄(いおう)含有率は低い。この安価な褐炭を利用して、いくつかの大火力発電所を建設し、ウラル地区に送電する計画が進められている。確定埋蔵炭量780億トン、推定・予想炭量を含む総埋蔵炭量は1兆トンを超すといわれる。同炭田の年生産量は約3550万トン(1994)。
[木下重教・樋口澄志]
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