日本大百科全書(ニッポニカ) 「がくぶつ汁」の意味・わかりやすい解説 がくぶつ汁がくぶつじる 福井県の郷土料理。ガクブツは九頭竜(くずりゅう)川特産のカジカ科の淡水魚カマキリのことで、寒い日に腹を水面に浮かべ川の流れを下って行くその腹にあられが当たるというので、アラレガコの別名もある。ガクブツは白焼きにしてから2~3日陰干しにし、番茶の煎汁(せんじゅう)で煮ると骨まで食べられる。これをみそ汁にしたのががくぶつ汁であるが、甘露煮にしてもいい。戦前まではたくさんとれたが、その後著しく減少したため天然記念物として捕獲を禁止しているが、とくにその一部は捕獲を許可している。かつて勝山地方にはがくぶつ料理を扱う料理店が多かった。[多田鉄之助][参照項目] | カマキリ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例