甘露煮(読み)かんろに

日本大百科全書(ニッポニカ)「甘露煮」の解説

甘露煮
かんろに

ハゼ、フナ、キス、ハヤ、カジカ、アユなどの小魚を用いた料理。なまのまま煮るものもあるが、普通は白焼きにしてから煮る。煮るときは鍋(なべ)に敷きざるか竹の皮を敷き、その上に材料を並べて、水をたっぷり入れ、サンザシか番茶の薄い煮汁を加え、落し蓋(ぶた)をして、中火と弱火を適当に交えて煮込み、骨まで柔らかにする。日本酒少量を加えることもある。次に砂糖、しょうゆを適量加えて、甘く、こってりした味に煮上げる。なお、仕上げる前にみりん少々を加えると、味がいっそうよくなり照りが出てくる。砂糖のかわりに飴(あめ)を用いるか、砂糖少々に飴を多く使って仕上げたものが飴煮であるが、現在の甘露煮は飴を多く加える煮方がよく見受けられる。フナの甘露煮では茨城県古河(こが)の製品が仕上がりもみごとで味もよく、郷土名産になっている。クリ、クルミ、百合根(ゆりね)などを甘く煮たものも甘露煮であるが、一般には甘煮といい、甘露煮とはいわない。

[多田鉄之助]


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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典「甘露煮」の解説

かんろに【甘露煮】

あゆ・ふな・はぜ・わかさぎなど主に淡水の小魚を、砂糖しょうゆ・酒・みりんなどで甘辛く煮ること。また、その料理。砂糖の代わりに水あめを用いるか、砂糖と水あめを併せて用いることもある。魚は白焼きにしてから煮ることが多いが、生のまま、あるいは焼き干しにして用いることもある。◇水あめを用いたものは「あめ煮」「あめ炊き」ともいう。
くるみなどの木の実やいちじく・きんかんなどの果物を、砂糖などを用いて甘く煮詰めたもの。

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精選版 日本国語大辞典「甘露煮」の解説

かんろ‐に【甘露煮】

〘名〙 おもに小魚を砂糖、しょうゆ、みりん、水あめなどを用いて甘味を強くして煮た食品。
※東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉二「客の嗜む所を問ふ。曰く刺身、曰く茶碗汁、曰く甘露煮(〈注〉ウマニ)」

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百科事典マイペディア「甘露煮」の解説

甘露煮【かんろに】

水あめまたは砂糖に醤油,みりんなどを加えて濃く煮つめた料理。フナ,コイハゼアユなどの魚類,またクリユズなどの果実に応用される。魚類はあらかじめ素焼きし風干ししてから煮,骨までやわらかくする。

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