甘露煮(読み)カンロニ

デジタル大辞泉 「甘露煮」の意味・読み・例文・類語

かんろ‐に【甘露煮】

ハゼフナなどの小魚を甘辛く煮つめた食品。ふつう白焼きにしてから中火で骨まで軟らかくなるまで煮込む。
[類語]煮物煮付け煮染め煮転がし煮浸し旨煮含め煮煮込み煮凝にこごじぶ煮角煮兜煮煮魚筑前煮従兄弟煮時雨煮佃煮

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精選版 日本国語大辞典 「甘露煮」の意味・読み・例文・類語

かんろ‐に【甘露煮】

  1. 〘 名詞 〙 おもに小魚を砂糖しょうゆみりん、水あめなどを用いて甘味を強くして煮た食品。
    1. [初出の実例]「客の嗜む所を問ふ。曰く刺身、曰く茶碗汁、曰く甘露煮(〈注〉ウマニ)」(出典:東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「甘露煮」の意味・わかりやすい解説

甘露煮
かんろに

ハゼ、フナ、キス、ハヤカジカアユなどの小魚を用いた料理。なまのまま煮るものもあるが、普通は白焼きにしてから煮る。煮るときは鍋(なべ)に敷きざるか竹の皮を敷き、その上に材料を並べて、水をたっぷり入れ、サンザシか番茶の薄い煮汁を加え、落し蓋(ぶた)をして、中火と弱火を適当に交えて煮込み、骨まで柔らかにする。日本酒少量を加えることもある。次に砂糖、しょうゆを適量加えて、甘く、こってりした味に煮上げる。なお、仕上げる前にみりん少々を加えると、味がいっそうよくなり照りが出てくる。砂糖のかわりに飴(あめ)を用いるか、砂糖少々に飴を多く使って仕上げたものが飴煮であるが、現在の甘露煮は飴を多く加える煮方がよく見受けられる。フナの甘露煮では茨城県古河(こが)の製品が仕上がりもみごとで味もよく、郷土名産になっている。クリクルミ、百合根(ゆりね)などを甘く煮たものも甘露煮であるが、一般には甘煮といい、甘露煮とはいわない。

多田鉄之助


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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「甘露煮」の解説

かんろに【甘露煮】

あゆ・ふな・はぜ・わかさぎなど主に淡水の小魚を、砂糖・しょうゆ・酒・みりんなどで甘辛く煮ること。また、その料理。砂糖の代わりに水あめを用いるか、砂糖と水あめを併せて用いることもある。魚は白焼きにしてから煮ることが多いが、生のまま、あるいは焼き干しにして用いることもある。◇水あめを用いたものは「あめ煮」「あめ炊き」ともいう。
②栗・くるみなどの木の実やいちじく・きんかんなどの果物を、砂糖などを用いて甘く煮詰めたもの。

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百科事典マイペディア 「甘露煮」の意味・わかりやすい解説

甘露煮【かんろに】

水あめまたは砂糖に醤油,みりんなどを加えて濃く煮つめた料理。フナ,コイ,ハゼ,アユなどの魚類,またクリ,ユズなどの果実に応用される。魚類はあらかじめ素焼きし風干ししてから煮,骨までやわらかくする。

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