日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガザに盲いて」の意味・わかりやすい解説 ガザに盲いてがざにめしいてEyeless in Gaza イギリスの作家オルダス・ハクスリーの長編小説。1936年刊。自叙伝的要素の濃厚な小説で、題名はミルトンの詩劇『闘士サムソン』からとられた。主人公アントニー・ビーブスは11歳で母を失い、それによって人間の有限性を悟り、虚無的な青年に成長してゆく。しかし、「自覚とは自己変革への本質的準備である」と悟り、また人間、生物、いやいっさいの存在は多にして一であるという信念を抱くことによって、ニヒリズムと無関心を克服して平和運動に飛び込んでゆく。[瀬尾 裕]『本多顕彰訳『ガザに盲いて』全二巻(1961・新潮社)』[参照項目] | 闘士サムソン | ハクスリー 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例