日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガス検知器」の意味・わかりやすい解説
ガス検知器
がすけんちき
gas detector
主として空気中の可燃性ガスや有害ガスの濃度測定に用いる装置。ガス検定器ともいう。大別すると、濃度を連続的に測定する方式と、短時間の濃度あるいは長時間の積算濃度を測定する方式とがあり、前者は各種の機器分析装置が用いられ、後者の方式のものにガス検知管がある。これは、ガラス管の中にガスの検知剤を封入し、これに一定量のガスを通し、検知剤との反応により着色する長さまたは色の濃さからガス濃度を検出する。測定するガスごとに各種の検知管がある。また、測定方式を原理的に分類すると、光学的性質を利用する方法、その他の物性(密度、音速、帯磁性、電気電導度など)を測定する方法、化学反応を利用する方法などに分けられる。測定すべきガスの性質、濃度、目的により種々の検知法がある。被測定ガスが単独で存在することはまれで、数種のガスが存在していることが多いので、目的ガスの濃度を他のガスの影響を受けずに検知できる方式を選択しなければならない。代表的なものにメタンガス検定器、一酸化炭素検定器、炭酸ガス検定器などがある。メタンガス検定器、炭酸ガス検定器は携帯用の光干渉計式ガス検知器が用いられ、一酸化炭素検定器は、一酸化炭素を触媒で酸化するときの酸化熱を電気的に測定する方式や、ガス検知管を用いる比色式のものも多く用いられる。炭酸ガス検定器もガス検知管を用いる方式がある。
[早川豊彦]