改訂新版 世界大百科事典 「ガス検知管」の意味・わかりやすい解説
ガス検知管 (ガスけんちかん)
gas detecting tube
ガス濃度測定の一方法として,ピストンを備えたガス採取器で一定量のサンプルを採取し,これをガス検知剤と吸着剤(シリカゲル粒)とを交互に充てんしたガラス管に送り込んで,検知剤とサンプルに含まれているガスとの化学反応による色の変化具合を標準色と比較し,サンプル中のガス濃度を知る方法がある。この検知剤と吸着剤を充てんし両端を密閉した細いガラス管をガス検知管といい,使用する際には両端を切ってサンプルを送り込む。炭鉱においては,自然発火の際に発生する一酸化炭素を検知するために使用されている。この検知剤は,シリカゲル粒を担体として,これにパラジウム塩とモリブデン酸塩を吸着させたもので,一酸化炭素によって還元されると,モリブデン青という青色の化合物となるため,原色の黄色から緑を経て青色に変わる。
執筆者:大橋 脩作
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報