日本大百科全書(ニッポニカ) 「キイロウスバアゲハ」の意味・わかりやすい解説
キイロウスバアゲハ
きいろうすばあげは / 黄色薄羽揚羽
[学] Parnassius eversmanni
昆虫綱鱗翅(りんし)目アゲハチョウ科に属するチョウ。別名ウスバキチョウ。日本では北海道大雪山(たいせつざん)の高地にのみ分布する高山チョウで、国の天然記念物に指定されている。日本以外では朝鮮半島(北部高地帯)、中国東北部(興安嶺(こうあんれい))、アムール地方、バイカル地方、アルタイ山脈、アラスカなど北極を巡る寒冷地に分布し、周北極種として知られる。はねの開張50~60ミリメートル程度。はねの地色が黄色を呈するのがこの種の著しい特徴。6~8月に発生するが、7月中旬ごろが最盛期。卵から成虫になるまでに足掛け3年を要し、1年目は卵、2年目は蛹(さなぎ)で越冬する。幼虫の食草はエンゴサク科のコマクサである。
[白水 隆]