地色(読み)ジイロ

デジタル大辞泉 「地色」の意味・読み・例文・類語

じ‐いろ〔ヂ‐〕【地色】

布・紙などの、下地の色。
女郎が、土地の男を情夫にすること。また、その情夫。
「―でも出来たか」〈洒・辰巳之園
素人の女との色恋
「なりひらの惜しい事には―なり」〈柳多留・八〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「地色」の意味・読み・例文・類語

じ‐いろヂ‥【地色】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 布、紙などの下地(したじ)の色。材料そのものの色。じ。
    1. [初出の実例]「御きぬちあをのかうし。地色のところはかりすすし」(出典:御湯殿上日記‐長享元年(1487)八月五日)
  3. ( 「地」は、しろうとの女の意 ) 色をひさぐ女郎ではなく、しろうと女との色恋。また、その女。地の色。
    1. [初出の実例]「色にふけり、地色には金を遣ひ、女郎にはだまされ果て」(出典:談義本・教訓不弁舌(1754)四)
  4. 女郎が、客ではなく地回りの者を情夫とすること。また、その男。
    1. [初出の実例]「又此くめん事にて、地色(チイロ)の手管もあり」(出典洒落本・魂胆惣勘定(1754)中)
  5. 浄瑠璃の節章の一つ。ふし落ちのあとなどにおける地(じ)の語りだしの一つで、詞の要素を加味した色の語り方。音の高低によって、地色ウ、地色中、地色上、地色ハルがある。
    1. [初出の実例]「だうりともせうし共思ひ、やられてあはれ也。地色ハアかういふてもハルむやくのこと」(出典:浄瑠璃・曾根崎心中(1703))

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世界大百科事典(旧版)内の地色の言及

【地】より

…万物の存在の基盤としての大地。転じて〈地色〉〈地の文〉のように本来のもの,基本的なものを指す語ともなる。このうち土地についてみると,8~9世紀に〈地〉は見開(げんかい)(現に開かれている土地)・未開を問わず,田,畠,野,山,浜などの地種をふくむ大地そのものを指す語として使われている。…

※「地色」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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