キカシグサ(その他表記)Rotala indica(Willd.)Koehne

改訂新版 世界大百科事典 「キカシグサ」の意味・わかりやすい解説

キカシグサ
Rotala indica(Willd.)Koehne

水田湿地に生えるミソハギ科の一年生雑草。茎は長さ10~15cm,下部が張って節から根を出し,上部は斜上する。葉は対生し,楕円形,無柄で先は円く,長さ5~10mm,幅3~5mm,全縁で毛がない。花は8~10月ごろ葉腋ようえき)につき,小さくて柄がない。萼は筒状で長さ1.5mm,4裂して裂片は三角形で先がとがる。花弁はごく小さく心形で4枚。おしべは4本,萼筒につき,めしべは1本。日当りのよいところでは全体が赤く色づくことがある。東アジアからマレーシア,インドに分布する。

 キカシグサ属Rotalaは世界に約40種あり,いずれも湿地に生える草である。日本にはミズマツバ,ミズスギナ,ミズキカシグサ,ヒメキカシグサホザキキカシグサなど6種が産する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キカシグサ」の意味・わかりやすい解説

キカシグサ
きかしぐさ
[学] Rotala indica (Willd.) Koehne

ミソハギ科(APG分類:ミソハギ科)の一年草。全草無毛。茎は軟らかく下部は地をはい、上部は直立または斜上して高さ5~15センチメートル、短い側枝を出す。葉は対生で無柄、倒卵状楕円(だえん)形で先は円く、縁(へり)に透明部がある。花は8~9月、葉腋(ようえき)に単生し、萼筒(がくとう)は鐘形で4裂し裂片はとがる。花弁は小形で雄しべ4本、雌しべ1本で花柱は短い。蒴果(さくか)は楕円形で萼と同じ長さ。水湿地に多く、北海道南部から沖縄およびインド、マレーシア、中国に分布する。

[小林純子 2020年8月20日]

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