キクザメ(読み)きくざめ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キクザメ」の意味・わかりやすい解説

キクザメ
きくざめ / 菊鮫

軟骨魚綱キクザメ目の科や属の総称、またはその1種の名称。キクザメ科Echinorhindae(英名brambles sharks)はツノザメ目に編入されていたが、体が太く、二つの背びれ腹びれが体の後方にあり、第1背びれが腹びれの上か後ろから始まること、背びれに棘(とげ)がないことなどの特徴で、2010年ころから別目のキクザメ目Echinorhiniformesと扱われるようになった。1科1属で、キクザメ属EchinorhinusにはキクザメE. brucusとコギクザメE. cookeiの2種が知られており、キクザメは非常に大きな鱗(うろこ)がまばらに生えていることでコギクザメ(小さな鱗が密に生えている)と区別できる。

 種としてのキクザメ(英名bramble shark)は最大で4メートルほどになる。生殖方法は非胎盤型の胎生であるが、詳しいことは不明。40~50センチメートルの子を最多で26尾ほど産む。西部太平洋、インド洋大西洋地中海などに分布する。水深10~900メートルの大陸棚や大陸斜面の海底付近に生息する。現在では非常にまれにしかとれず、国際自然保護連合IUCN)のレッド・リストでは、絶滅危惧(きぐ)種中の「危機」(EN)に指定されている(2021年9月時点)。

[仲谷一宏 2021年10月20日]

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