ツノザメ(読み)つのざめ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツノザメ」の意味・わかりやすい解説

ツノザメ
つのざめ / 角鮫

軟骨魚綱ツノザメ目の科や属の総称。ツノザメ科Squalidae(英名dogfish sharks)は2基の背びれの前にそれぞれ1本の強い棘(とげ)を有すること、臀(しり)びれがないこと、尾びれの先端付近に欠刻(切れ込み)がなく、尾びれ上葉が全体に丸いことなどが特徴である。同科はヒゲツノザメ属Cirrhigaleusとツノザメ属Squalusの2属からなり、ヒゲツノザメ属は鼻孔の前の弁状部が長く伸びるが、ツノザメ属では伸びないことで区別できる。世界にヒゲツノザメ属は3種、ツノザメ属は約30種が知られ、日本近海にはヒゲツノザメ属にヒゲツノザメC. barbiferのみが、ツノザメ属にアブラツノザメツマリツノザメトガリツノザメS. japonicusなど5種が分布する。生殖方法は卵黄依存型の胎生である。

[仲谷一宏 2021年10月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例