キノボリハイラックス(読み)きのぼりはいらっくす(その他表記)tree hyrax

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キノボリハイラックス」の意味・わかりやすい解説

キノボリハイラックス
きのぼりはいらっくす
tree hyrax
dassie

哺乳(ほにゅう)綱ハイラックス目ハイラックス科キノボリハイラックス属に含まれる動物の総称。この属Dendrohyraxには、ミナミキノボリハイラックスD. arboreus、ニシキノボリハイラックスD. dorsalis、ヒガシキノボリハイラックスD. validusの3種がアフリカに知られる。体長40~60センチメートル、体重1.5~3.3キログラム。森林や、森林の破壊された岩場にすむ。夜行性で、アカシアユーフォルビアトウダイグサ科の植物)などの樹葉や花、昆虫などを餌(えさ)としている。夜から明け方にかけて、5分以上も続く特徴のある鳴き声を一定の時間に発する。他のハイラックスと同様、背に背腺(はいせん)という分泌腺の裸出部がある。ゴールデンキャットヒョウがおもな天敵として知られており、とくに場所によりヒョウの糞(ふん)の中にはかなりの骨がみられる。

[齋藤 勝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キノボリハイラックス」の意味・わかりやすい解説

キノボリハイラックス
Dendrohyrax arboreus; tree hyrax

岩狸目ハイラックス科。体長 40cm,体高 30cm。体は暗灰色で,眼のまわりおよび背中線は白い。夜間活動し,群れをつくらない。日中樹洞にひそむ。樹上性で,木の芽,葉などを食物とする。アフリカ中南部の森林に分布する。

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