キノロン系抗菌剤(読み)キノロンケイコウキンザイ

デジタル大辞泉 「キノロン系抗菌剤」の意味・読み・例文・類語

キノロンけい‐こうきんざい〔‐カウキンザイ〕【キノロン系抗菌剤】

キノロン構造を持つ合成抗菌剤感染症原因となる細菌DNA複製を阻害する作用をもつ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キノロン系抗菌剤」の意味・わかりやすい解説

キノロン系抗菌剤
キノロンけいこうきんざい

化学療法剤のなかでも最近その有用性が認められ,数多くの開発が進められている抗菌剤。尿路感染に有効であったナリジクス酸誘導体のキノロン環にフッ素原子を導入したことにより,抗菌スペクトルが広がり抗菌力も増加し,さらに生体組織への薬剤移行も良好となった。シプロフロキサン,オフロキサン,ノルフロキサンなどが開発され,ブドウ球菌連鎖球菌,腸球菌,淋菌大腸菌緑膿菌などの細菌に殺菌的に作用し,呼吸器感染症,泌尿器系感染症,消化器系感染症などに用いられている。これらの薬剤はニューキノロンと呼ばれている。一般に通常の抗菌剤 (ペニシリン系,セフェム系) より薬剤耐性ができにくいといわれているが,最近になって耐性菌の出現が報告されている。さらに,非ステロイド性抗炎症剤との併用による副作用の懸念も指摘されている。

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