キプロス紛争(読み)キプロスふんそう(その他表記)Cyprus conflicts

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キプロス紛争」の意味・わかりやすい解説

キプロス紛争
キプロスふんそう
Cyprus conflicts

1963年以来続いている,キプロスにおけるギリシア系住民とトルコ系住民との間の紛争。 74年にはギリシア軍事政権の支援によるクーデターが発生,その際,住民の約 20%にあたるトルコ系住民の保護を理由にトルコ軍が北部に派兵され,国土の 37%を占領,83年トルコ系住民により「北キプロス・トルコ共和国」の独立が宣言され,トルコだけが承認した。 88年ジュネーブでキプロス和平首脳会談が開かれたが,前提条件として分裂国家の現状を認めることの必要性を強調するトルコ系政府と,駐留トルコ軍の撤退を要求するギリシア系政府の主張が対立し,交渉は行きづまった。仲介に立った国連は,ギリシア系とトルコ系の連邦国家案を提示したが,進展はみられなかった。 97年にはキプロス共和国はロシア製地対空ミサイルの配備計画を明らかにし,トルコとの関係が緊張した。結局,ミサイルはクレタ島に配備されることで落着した。国連による南北平和交渉が 99年 12月,アナン事務総長の仲介で再開したが,国家承認を前提とする北側の主張のため進展していない。

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