日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
キャッシュ・アウト・マージャー
きゃっしゅあうとまーじゃー
cash out merger
M&A(企業の合併・買収)を行う際に、買収する側の企業が相手先企業の株主に金銭のみを交付することでM&Aを完了させること。2007年(平成19)5月施行の会社法で可能になった。従来は吸収合併する場合、相手先企業の株主に対して合併比率に応じた自社(合併存続会社)株式を交付する必要があった。しかし、新法によって自社株交付の必要がなくなり、したがって自社の株主構成を変化させることなく、相手先企業の株主をすべて排除することができる。今後は、事業再編やグループ経営効率化を後押しする側面があるこの手法を用いたM&Aが活発化していくと考えられる。
[原 正輝]
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