新法(読み)シンポウ

デジタル大辞泉 「新法」の意味・読み・例文・類語

しん‐ぽう〔‐パフ〕【新法】

新しく定められた法令。新法令。
北宋神宗の時、宰相王安石が制定した法令。国力増強を目的とし、効果を上げたが、大地主・官僚・豪商らの保守派旧法党)と対立し、政争の種となった。
新しい方法。新しいやり方。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「新法」の意味・読み・例文・類語

しん‐ぽう‥パフ【新法】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 新しく制定した法令。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「上古之法を用ゐて、新法之宜を加へ、礼法の書出来なば」(出典:太閤記(1625)二〇)
    2. [その他の文献]〔韓非子‐定法〕
  3. 新しい方法。新しいやり方。
    1. [初出の実例]「奇器新法を発明するものは」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉二)
  4. 中国、北宋の神宗時代、宰相王安石が実施した富国強兵策の諸法令。司馬光らの旧法に対するもの。〔宋史‐王安石伝〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「新法」の読み・字形・画数・意味

【新法】しんぽう

新しい法。

字通「新」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の新法の言及

【王安石】より

…67年(治平4)気鋭の青年皇帝神宗が即位すると,中央から離れていて名声の高かった王安石を登用し,抜本的な改革を行わせた。 69年(熙寧2)副宰相,ついで宰相となった王安石は,新法と呼ばれる諸政策をつぎつぎと発布した。青苗,募役,保甲,市易など十指にあまる新法は,財政の運用を改善し,大地主や豪商の収奪を抑え,健全な中産階級を育成するための新しい政策をふんだんに盛りこんでいた。…

【新法党】より

…中国,北宋神宗の熙寧2年(1069)から,宰相王安石によって実施された革新政策すなわち新法を支持した一派。江南先進経済地域の出身者や,中小地主・商人の利益代表が多く,相対的に進歩的であった。…

【宋】より

…このような危局に即位した神宗は,王安石を抜擢(ばつてき)して,大規模な改革を行わせた。これを王安石の新法とよぶ。改革の第一の目的は,破綻した国家財政を立て直すことにあったが,従来のような重税と節減といった単純な施策では,もはや解決できない状態になっていた。…

※「新法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android