改訂新版 世界大百科事典 「キントラノオ」の意味・わかりやすい解説
キントラノオ
Galphimia glauca Cav.
常緑でかっこうのよいキントラノオ科の小低木。メキシコ原産で温室で栽植される。高さ1mあまりで,枝はこまかく分枝する。葉は対生し,卵形から長卵形,無毛で裏面は白緑色。花は枝端の総状花序につき直径1cm,花弁は黄色で鋸歯がある。実は3室に分かれた蒴果(さくか)。栽培には保温した温室が必要である。
キントラノオ属は,中南米に約15種ほどがあるが,すべて低木で,2~3種が観賞用に栽植される。
キントラノオ科Malpighiaceaeは南アメリカに多く,ほとんどのものが小低木から成る熱帯系の科で,約60属800種が知られている。ミカン目に所属し,日本では沖縄にコウシュンカズラやササキカズラなど,少数の種が見られるだけである。
執筆者:堀田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報