ククルビタシン

化学辞典 第2版 「ククルビタシン」の解説

ククルビタシン
ククルビタシン
cucurbitacin

ウリ科,アブラナ科トウダイグサ科,コマノハグサ科などの植物に含まれている苦味物質.AからRの十数種類知られているが,いずれも転位ラノスタン骨格をもつ四環性トリテルペン.それぞれは,不飽和化(Δ1,2,Δ23,24),エピメリ化(2,16,21,24位),デオキシ化(2,24位および9位のヒドロキシ基),還元(3位),アセチル化(25位)の有無が異なっている.いずれも光学活性で,融点140~250 ℃ の範囲に入る結晶性物質.紫外吸収を示す.有機溶媒に可溶,水に不溶.抗腫瘍活性,抗ジベレリン活性を示す.ククルビタシンE(Δ1,2,Δ23,24,9-CH3,25-アセチルエステル)はLD50 2γ/g(マウス静注).

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のククルビタシンの言及

【キュウリ(胡瓜)】より

…日本での主産地は,群馬・埼玉・福島・宮崎県などである。
[成分,利用]
 果実の苦味物質はククルビタシンC(C32H50O7)で,低温や水分不足,窒素過多などのとき生成することがある。その程度は品種によって異なり,最近の実用品種はほとんど生成しない。…

※「ククルビタシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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