食の医学館 「クコの実」の解説
くこのみ【クコの実】
《栄養と働き&調理のポイント》
クコは山野に自生するナス科の落葉低木で、秋に楕円形(だえんけい)の赤い果実をつけます。葉、果実、根皮ともに生薬として用いられます。
○栄養成分としての働き
クコの実には、肉体の成長に欠かせないアルギニンやグルタミン酸、アスパラギン酸などの必須アミノ酸5種が含まれています。
また、消化器系の分泌(ぶんぴつ)や運動を促進するベタインというアルカロイドの一種を含み、間接的に胃腸病の改善に効果を発揮します。ほかにゼアキサンチン、フィリイエンなども含み、強壮効果が期待できます。
ビタミンB1、B2、ルチンなどが含まれ、血管を丈夫にして高血圧や低血圧の改善、動脈硬化予防などに役立ちます。
また、肝細胞への脂肪沈着を抑え、肝細胞の新生を促進して肝臓を保護する作用があるともいわれています。血糖降下作用も期待でき、腰や膝(ひざ)の痛みも緩和します。
○漢方的な働き
中国の古い薬学書には、命を養う薬として紹介され、滋養があって老化防止に効く不老長寿の妙薬とされています。
クコの実は生薬名を枸杞子(くこし)と呼び、クコ酒や薬膳料理の材料として使われます。