ベタイン(英語表記)betaine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベタイン」の意味・わかりやすい解説

ベタイン
betaine

(1) (CH3)3N+CH2COO- の化学式で表わされる化合物。広く動植物界に分布する。潮解性の鱗片晶または角柱晶。水のほかにアルコールにもよく溶けるが,エーテルには難溶。水から再結晶すると水化物となり,100℃に加熱するともとに戻る。グリコチアミンと結合させて,筋力低下の治療薬とする。このほか,アスパラギン酸と結合させて消化不良,肝臓障害などの治療薬とし,またその塩酸塩は脂肝防止薬として用いられる。 (2) 広義には1つの分子中に第四アンモニウム陽イオンと,カルボキシレートなどの陰イオンをもった分子内塩に対する一般名。一般塩類と同様に高融点または高分解点の結晶となる。極性なので水溶性である。多くのベタインは植物,動物の組織中に存在するが,アミノ酸アルキル化またはハロゲン置換カルボン酸と第三アミンとの反応によっても合成される。

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