クタドグビリク(英語表記)Qutadghu Bilig

改訂新版 世界大百科事典 「クタドグビリク」の意味・わかりやすい解説

クタドグ・ビリク
Qutadghu Bilig

中央アジアのカラ・ハーン朝の首都であったカシュガルで,大侍従のユースフYūsufが1069・70年に,カラ・ハーン朝トルコ語を用いて韻文で著した君主のための道徳書。書名は〈幸福になるために必要な知識〉の意。正義,幸福,知恵,満足を象徴する4人の登場人物問答を交わすという形式をとって,君主の生活に必要な心得を説く。現存するトルコ・イスラム文学作品の最古著作として重要である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のクタドグビリクの言及

【ウイグル語】より

…(1)古代ウイグル語 突厥(とつくつ)語に次いで古い古代チュルク語(チュルク諸語)の一つ。東トルキスタンで活躍したウイグル族の言語。8世紀ないし15世紀の文書・碑文がある。仏教,マニ教,法律に関するものが多い。しかし,最も重要な文献はユヌフ・ハヌ・ハジブが1069‐70年に作った《クダドグ・ビリク》と称する教訓詩である。ウイグル文字で書かれたものが多いが,ソグド文字,マニ文字で書かれたものもある。(2)現代ウイグル語 トルキスタンで現代ウイグル語といわれている言語。…

※「クタドグビリク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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