クリー族(読み)クリーぞく(その他表記)Cree

翻訳|Cree

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クリー族」の意味・わかりやすい解説

クリー族
クリーぞく
Cree

アルゴンキン語を話し,カナダに住むアメリカインディアンの一民族。大きく森林クリーと平原クリーに分けられ,前者はシカ狩りを主とする東部森林型,後者は野牛狩りを主とする平原型の文化に属する。 17~18世紀にかけてヨーロッパ人の毛皮交易が盛んになり,東はハドソン湾から西はアルバータまで一面に広がって住むようになった。 18世紀末以来,戦争や伝染病で人口は減ったが,今日でも約 14万人が罠猟狩猟で暮している。社会組織は,森林クリーでは親族集団によるバンドが中心となっている。あらゆるタブーや習慣に妖術が用いられた。平原クリーはそれぞれ首長をもつ 12のバンドに分れており,儀礼が重要な意味をもった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のクリー族の言及

【アメリカ・インディアン】より


[亜極北文化領域]
 この領域は北方針葉樹林(タイガ)とほぼ一致し,アラスカ内陸のユーコン川,クスコキウム川の中・上流域からカナダ北東部のラブラドルまで広がる。タイガに居住する原住民はタナイナ族,ヘア族,チペワイアン族などのアサバスカ(ナ・デネ)系言語を話すインディアンと,クリー族,ナスカピ族などアルゴンキン系言語を話すインディアンである。 彼らの伝統的な生業活動は狩猟と漁労である。…

※「クリー族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android