日本大百科全書(ニッポニカ) 「クルス・イ・ソウザ」の意味・わかりやすい解説 クルス・イ・ソウザくるすいそうざJoão da Cruz e Sousa(1861―1898) ブラジルの詩人。黒人奴隷の両親の間に生まれ、貧困と人種偏見に苦しむ。生前は文学的評価は低かったが、現在ではブラジル最大の詩人の一人に数えられる。自然主義的素養と美学を修めたが、のちにボードレールやポルトガルの詩人の影響を受けて象徴主義に向かう。彼の独創性はこれら二つの傾向の融合にある。代表作は散文詩集『ミサ典書』(1893)、詩集『円楯(まるだて)』(1893)。[高橋都彦] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例