日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミサ典書」の意味・わかりやすい解説
ミサ典書
みさてんしょ
missale ラテン語
カトリック教会のミサ聖祭に用いられる祈祷書(きとうしょ)。そのなかには典礼法規、聖歌、朗読、典礼文を含んでいる。ローマ・カトリック教会で使われるものを「ローマ・ミサ典書」missale Romanumという。その構成は、クリスマス、復活、聖霊降臨など教会暦に従ってどんなミサでも使われる祈りの部分と、主日や平日や祝日によって変わる部分の、二部からできている。バチカン第二公会議(1962~65)前はラテン語が用いられたが、公会議以後は各国の国語が用いられている。この典書は公式のミサに使われてきたために、昔から芸術的に価値のある装飾が施され、キリスト教文化の結晶でもあった。
[門脇佳吉]