クレッツ(読み)くれっつ(その他表記)Franz Xaver Kroetz

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレッツ」の意味・わかりやすい解説

クレッツ
くれっつ
Franz Xaver Kroetz
(1946― )

ドイツ劇作家ミュンヘン生まれ。もともと俳優だったが、1970年代初めから次々と戯曲を発表、新リアリズムの民衆劇によって注目を浴びた。貧しく無教養な、社会に順応できない階層の人々の救いのない状況、そしてややもすると犯罪的行為に逃げ場をみいださざるをえない人々を描き、『家内職』(1971)、『けものみち』(1973)などがその代表作。ほかに『人間マイアー』(1978)、『肉でも魚でもなく』(1981)など、現代ドイツの日常生活を戯画化した風刺作で新境地を開いた。1980年代後半以降、ミュンヘンなどの劇場自作を演出し、社会的な弱者が生き残りのために努力しても救いを得られずに自己崩壊に至るさまを強調した。

[宮下啓三]

『棗田光行著『時代と戦うドイツ演劇』(2000・近代文芸社)』

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