化学辞典 第2版 「クロム触媒」の解説
クロム触媒
クロムショクバイ
chromium catalyst
クロムの触媒作用を利用した触媒.通常は化合物,とくに酸化物が使われる.クロミアCr2O3は脱水状態において,水素化,H2-D2交換,脱水素に活性であり,酸化鉄,アルミナなどとの複合系は炭化水素の脱水素反応に,また酸化銅,酸化ニッケルなどとの複合系(アドキンス触媒)は水素化に使われている.酸化亜鉛との複合系は,実用のメタノール合成触媒の主要成分である.高活性ではないが酸化活性もある.酸化クロム(Ⅵ)をシリカ-アルミナ担体に2~3% つけた触媒は,フィリップス法ポリエチレン触媒として知られる.また,CrO2[(C6H5)3SiO]2をシリカ-アルミナに担持した触媒は,気相法ポリエチレン触媒として用いられている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報