ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説 クワズールー・ナタール〔州〕クワズールー・ナタールKwaZulu-Natal 南アフリカ共和国東部の州。州都はピーターマリッツバーグ。ドラケンスベルク山脈からインド洋にいたる地域を占め,南西はレソトに接する。北東部にズールー族の居住区クワズールーがあったが(→バンツースタン),1994年ナタール州に吸収され,現州名に改称された。ズールー族を中心とした黒人が人口の 8割以上を占めるほか,国内のアジア人(おもにインド人)が集中し,白人の比率は低い。1689年オランダ東インド会社がダーバンに交易基地を建設。19世紀初めにはズールー族の首長シャカが周辺の諸部族を統一,1837年にはイギリス領ケープ植民地からボーア人が大量に移住し,ナタール共和国を建設。その後もイギリス,ボーア人,ズールー族の抗争が続いたが,1843年にイギリス植民地となり,1910年南アフリカ連邦の結成に参加,その成立に伴いナタール州となった。海岸部は亜熱帯気候でサトウキビ,タバコの栽培地帯。内陸はサバナで,モロコシ類,ワタを栽培し,牧畜が行なわれる。多くの炭鉱があり,ダーバン周辺は織物,食品加工,化学,石油精製などの工業地帯となっている。面積 9万2100km2。人口 992万4000(2006推計)。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by