ボーア人(読み)ボーアジン(その他表記)Boer

翻訳|Boer

デジタル大辞泉 「ボーア人」の意味・読み・例文・類語

ボーア‐じん【ボーア人】

Boerオランダ系の南アフリカ移民とその子孫。17世紀中ごろ、オランダ東インド会社ケープ植民地経営とともに移民。現在、南アフリカ共和国白人の6割を占める。アフリカーナブール人ブーア人

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精選版 日本国語大辞典 「ボーア人」の意味・読み・例文・類語

ボーア‐じん【ボーア人】

  1. 〘 名詞 〙ブーアじん(━人)

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改訂新版 世界大百科事典 「ボーア人」の意味・わかりやすい解説

ボーア人 (ボーアじん)
Boer

南アフリカ共和国でアフリカーンスAfrikaans語を話すオランダ系の白人住民。ブーア人とも称される。現在はアフリカーナーAfrikanerあるいはアフリカンダーAfrikanderと呼ばれている。ボーアとはオランダ語で〈農民〉を意味し,17世紀にオランダ東インド会社がケープに入植した後,オランダからの移民を奨励し,その移民の多くが農民であったことに由来する。現在,南ア共和国の白人人口445万(1980)の約6割を占め,政治的実権を握っている。1814年のイギリスのケープ占領により北方への大移動(グレート・トレック)を行い,ナタール共和国(1838),トランスバール共和国(1852),オレンジ自由国(1854)を建国した。トランスバール,オレンジでダイヤモンド,金の富鉱が発見されたのでイギリスが戦争をしかけ,ボーア人は敗北した(ボーア戦争)。以後,ボーア人民族主義を掲げてイギリス系白人に対抗し,1924年の国民党・労働党連立内閣,48年の国民党政権の誕生以来一貫して政権の座にあり,61年にはイギリス連邦から脱退して共和国に移行した。ボーア人のほとんどはオランダ改革教会派を信奉し,その教義から来る極端な黒人蔑視は,人種差別政策(アパルトヘイト)を生み,国際社会の激しい非難を浴びている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボーア人」の意味・わかりやすい解説

ボーア人
ボーアじん
Boer

ブール人ともいう。ボーアはオランダ語で「農民」の意。 17世紀に南アフリカのケープタウンに移住したオランダ人や,ナントの勅令以後迫害されたフランス人プロテスタントの亡命者の子孫をさす。今日では,一般にアフリカーナー Afrikanerと自称している。言語はオランダ語の変化したアフリカーンス語。初期の移民入植者は農耕牧畜生業とし,オランダ東インド会社に依存していたが,18世紀になると自由な移民が増加し,自衛軍をもつ独自の社会を形成。 19世紀に入りケープタウンがイギリス領となったことに反対し,内陸に移動してオレンジ自由国,トランスバール共和国などを建設した。しかしここでダイヤモンド鉱が発見されたためイギリスの侵略を受け,南アフリカ戦争へと発展,1902年イギリスの支配下に入った。 10年南アフリカ連邦成立後に政権を獲得,61年共和国への移行をとげイギリス連邦から離脱。同国の白人人口の約 60%を占め,政治的実権を握って極端な人種差別政策であるアパルトヘイトを推進した。これは国際的な非難を浴び,経済制裁や国内の暴動を招いたため,91年,ついに政府はこの政策を撤廃した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ボーア人」の解説

ボーア人(ボーアじん)

ブール人

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旺文社世界史事典 三訂版 「ボーア人」の解説

ボーア人
ボーアじん

ブーア人

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世界大百科事典(旧版)内のボーア人の言及

【アフリカ】より

… ヨーロッパ列強がアフリカ海岸とインド洋を経由して海路アジアへ到達した結果,1602年にはオランダ東インド会社が設立され,インドネシアへ往復する船に喜望峰で生鮮食料を補給する目的で,オランダは本国の農民を南アフリカへ移住させて農業を営ませた。これが南アフリカのボーア人(オランダ語で〈農民〉の意)のはじまりであり,彼らの内陸への進出や19世紀にはじまるイギリスの鉱山開発のための植民に伴って,今日までつづく人種間紛争のもととなった。 ポルトガル人に一時支配された東アフリカの海岸も,ポルトガルの後退後インド洋に進出したヨーロッパ勢力の関心がインドや東南アジアに向けられたため,17~18世紀には,オマーンのアラブ商人が再び活発に東アフリカに渡来するようになった。…

【南アフリカ】より

… 白人ではアフリカーナーAfrikaanerとイギリス系白人が多く,その比率は6対4で,アフリカーナーが多数派を占めている。アフリカーナーはかつてボーア人と呼ばれていた。17世紀にオランダからケープ地方に入植した移民の子孫であり,みずからをアフリカーナーと称し,アフリカーンス語を話す。…

※「ボーア人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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