グエン・ドク(その他表記)Nguyen Duc

現代外国人名録2016 「グエン・ドク」の解説

グエン・ドク
Nguyen Duc

職業・肩書
ベトナム戦争の枯れ葉剤被害者

国籍
ベトナム

生年月日
1981年2月25日

出生地
ジァライ・コントウム地区

学歴
ベトナム第10地区高等職業学校情報科学課

経歴
兄・ベトとともに、背骨や胃など消化器系の臓器は別々ながら、下半身が結合したままの双生児としてベトナム中部高原のジァライ・コントウム地区で生まれ、ハノイ市のベトナム・東ドイツ友好病院で育てられる。1982年12月ホーチミン市のツウヅウ病院に移る。’85年日本の福井県敦賀市でベトちゃん・ドクちゃんの発達を願う会が結成され、2人を支援する“愛の車椅子”運動が全国的に盛り上がった。’86年5月兄が原因不明の脳症で危篤状態となり、6月日赤医療センターに入院。’88年ベトナムと日赤の医療団により2人の分離手術が行われ、奇跡とも呼ばれる成功を収めた。自身は自力で動き回れるようになったが、兄は患った脳症のために手術後も寝たきり状態が続いた。この間、’89年ホーチミン市の小児麻痺障害児学校の2年生に編入。’93年タンロン中学に入学、’96年中退。のち第10地区高等職業学校情報科学課に入学、2000年11月初級コースを修了、上級コースでパソコン、コンピューター関係のメンテナンスを行うエンジニアの仕事に従事する。またボランティア団体・ホーチミン市支援会に所属し、積極的に活動を行う。ツウヅウ病院第2平和村で兄とともに暮らし、2006年専門学校生グエン・ティ・タン・テュエンと結婚。2007年兄が回復を見ないまま26歳で亡くなった。ベトナム戦争で米軍が撒いた枯葉剤被害の象徴的な存在として日本で広く知られ、治療や義足づくりなどでたびたび来日。2012年8月には東日本大震災後に初めて東北を訪れた。

出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報

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