グメーリン(読み)ぐめーりん(その他表記)Leopold Gmelin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グメーリン」の意味・わかりやすい解説

グメーリン
ぐめーりん
Leopold Gmelin
(1788―1853)

ドイツの化学者。ゲッティンゲンに生まれる。生地の大学で1812年学位を取得、翌1813年ハイデルベルク大学で教え、1817年に化学教授となった。彼の業績には赤血塩(グメリン塩)、胆汁色素の検出法(グメリンのテスト)の発見、胃や膵臓(すいぞう)の消化液の研究のほか、ラセミ酸エステルケトンなどの名称も彼の提出にかかる(1848)が、最大の業績は無機化学のハンドブックGmelins Handbuch der anorganischen Chemieの出版である。研究上比類をみない最大至便な宝典である。初版は1817年、新4版から拡大し、現在の8版は第一次世界大戦後からドイツ化学会が世界中の文献を集めて編集している。近年は英語のものもドイツから出版されている。なお、グメーリン一族は有名な化学者を輩出せしめた名門で、彼はその頂点に位する。

[都築洋次郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android