日本大百科全書(ニッポニカ) 「グラール」の意味・わかりやすい解説
グラール
ぐらーる
João Belchior Marques Goulart
(1918―1976)
ブラジルの政治家。リオ・グランデ・ド・スール州の牧場主の息子として生まれる。28歳のときバルガスの部下として政界入りし、1952年にはブラジル労働党の党首となり、バルガス政権の労働大臣を務めた(1953~1954)。クビチェック、クアドロス両政権の副大統領となり(1956~1961)、クアドロス辞任後、軍部の強い抵抗を排して大統領に就任した(1961年9月)。在任中、親労働者階級的な政策を行ったが、インフレの高進や政府の財政危機、左翼運動の激化など不安定が続き、1964年3月末軍部のクーデターでついに失脚した。その後国外に亡命してアルゼンチンで客死した。
[加茂雄三]
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