ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グレゴリウス9世」の意味・わかりやすい解説
グレゴリウス9世
グレゴリウスきゅうせい
Gregorius IX
[没]1241.8.22. ローマ
イタリア人教皇 (在位 1227~41) 。本名 Ugolino de Segni。神聖ローマ帝国によるイタリア統一を企てる神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世と死闘を展開。 1227年十字軍派遣をしぶる皇帝を破門。翌 1228年第6回十字軍が出兵されるとアプリアに進出したが,取って返した皇帝軍に敗れ,1230年チェプラノ和約で破門を解除した。 1239年再度皇帝を破門,コンスタンチヌス大帝の寄進状を楯に教皇権を守る一方,1241年の復活祭に皇帝を裁く教会会議を企てたが,妨害されて失敗した。十字軍の遠征過程で中東にできあがったラテン系諸国の維持に力を注いだほか,カタリ派,ワルド派の打破にも尽力。宗教裁判を一本化して教皇権のもとにおいた。 1234年『教令集』 Liber extra公布。ドミニコとアッシジのフランシスコの友であり,のちに2人を列聖として宣言した。2人に始まる托鉢修道会を奨励した。
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